コラム

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創業スタートアップセミナー@湘南創業塾のコラムを掲載しています。

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起業時における個人と法人の選択Part2(吉澤寿朗)

資本金が1円であるということは、会社が事業を行う上での元手資金が1円であるということです。起業時における個人と法人の選択Part1で示した図のように、会社を設立するには登記費用が発生します。設立当初から資金不足の状態となり、会社が代表者等から資金を借り入れる必要が生じることとなります。

また、資本金は会社の登記簿謄本に記載されます。その登記簿謄本を取引先が見たとすると、資本金が1円であるということが果たしてその取引先に信頼を与えることとなるでしょうか?

一般的には、起業当初は個人として事業を行い、順調に業績が伸び所得が増加してきたところで法人化するというケースが多いです。個人に集中していた所得を、法人から給与を支払うという体系に変えることで節税を図ることが可能です。この場合、家族を役員として各々へ給与を支払い所得の分散を図ることで、更にその効果が増すことになります。

個人・法人のどちらにもメリット・デメリットがありますので、法人化を検討する際には十分なシミュレーションをすることをお勧めします。選択した形態のメリットを最大限に生かすことが、事業を円滑に進めていくことの第一歩となるはずです。(了)


吉澤寿朗税理士

吉澤寿朗(税理士)
税理士法人吉澤会計事務所 代表社員
東京地方税理士会藤沢支部所属。湘南藤沢にて30年以上のキャリアを誇る税理士事務所。節税対策はもちろん各企業の成長ステージにあわせた的確な助言を行う良きアドバイザーとして地域企業の経営改善に取り組む。また、起業支援も積極的に行い藤沢商工会議所主催創業スタートアップセミナー講師としても活躍中!

起業時における個人と法人の選択Part1(吉澤寿朗)

皆さんは起業するに当たり、個人として事業を行うこと又は法人化して事業を行うことのどちらを選択するでしょうか?「法人化するには手続きが複雑そうなので個人かな…。」、「起業するなら法人化することは当然だよ!」等々色々な考え方があると思います。

下図で個人と法人の主な相違点をまとめてみました。

 
個人
法人
手続き
登記が不要
登記が必要(登記費用が発生)
信頼度
低い
高い
資金管理
事業上の資金を明確にすることが難しい
(生活費と混同し易い)
法人の資金として明確に区分することができる
節税策
少ない
多い(法人を利用した様々な対策が考えられる)
税務書類
少ない
多い(最低でも10枚以上は必要)
税率
超過累進税率
(所得が増えると税率が高くなっていく)
比例税率
(所得に関係なく一定の税率)
住民税
事業を行うことにより均等割が増える
ことはない
黒字、赤字に関わらず毎年70,000円(藤沢市の
場合)の均等割が発生する

会社法の施行により最低資本金制度が廃止され、現在は資本金1円で会社を設立することも可能です。より手軽に会社を設立しやすくなるよう法体系が整えられています。

しかし、このような会社は果たして法人化することのメリットを享受していると言えるでしょうか?
(続く)


吉澤寿朗税理士

吉澤寿朗(税理士)
税理士法人吉澤会計事務所 代表社員
東京地方税理士会藤沢支部所属。湘南藤沢にて30年以上のキャリアを誇る税理士事務所。節税対策はもちろん各企業の成長ステージにあわせた的確な助言を行う良きアドバイザーとして地域企業の経営改善に取り組む。また、起業支援も積極的に行い藤沢商工会議所主催創業スタートアップセミナー講師としても活躍中!

経理事務を知ろうPart2(藤村典子)

(2)取引の記録

手書き帳簿の時代は、取引の記録は簿記に詳しくないとできませんでした。
しかし、現在は市販のソフトを使用すれば、青色申告事業者の要件を満たすことも可能です。
ソフトを選ぶポイントとしては

・過去の取引を検索しやすいこと

・税制改正に確実に対応 など

将来的な法人化を検討している方は、さらに

・会計事務所との連携が可能

・給与ソフト・販売ソフトとの連携が可能

・ファイル切り出しなどデータの取り扱いが簡単 などに注意すると良いでしょう。

次に入力のための科目名を決定しましょう。

経理ソフトの初期設定をそのまま用いてもOKです。同じ内容の取引は科目名を統一しましょう。
取引は、早目に入力します。特に現金取引は迅速に入力しましょう。

記録上と実際の現金残高があっていることを確認することで、記録漏れを防ぎます。
そのためにも事業用とプライベートの現金は別に管理する。これがとても大事なポイントです。(了)


藤村典子中小企業診断士

藤村典子(中小企業診断士)
藤村ビジネスコンサルティング 代表
学習塾、会計事務所勤務を経て2004年に独立。中小企業支援ネットワーク強化事業のネットワークアドバイザーとして、中小企業の経営改善、経営革新のサポートを行う。また、企業再生分野においても精力的に活動中。起業支援・創業支援は得意分野の1つであり、女性視点からの解説は分かりやすく好評。

経理事務を知ろうPart1(藤村典子)

1.経理事務とは?

経理の仕事はそんなに難しいことではありません。経理業務は「取引を整理・記録し、事業の状況を確認する」ということで、大きく分けて2つの作業があります。

●証ひょう書類の整理
取引先からの請求書・領収書、自社で作成した納品書・請求書などを、内容別に分け、時系列で保存する作業

●取引の記録
証ひょう書類をもとに、取引を記録して帳簿を作成する作業

経理ができている事業者には以下のメリットがあります。
●年度末の決算・税金計算もスムーズに進み、効果的な節税対策をとることができます。
●「青色申告事業者」となることができます。青色申告事業者には経費と認められる枠が増えるといった特典があります。

2.経理業務のポイント

(1)証ひょう書類整理

証ひょうには重要な役割があり、例えば取引先とのトラブルがあった場合は、証拠書類として、どちらが正しいかを決定付けるほどの効力を持ちます。

証ひょうはまず、内容ごとに分け、時系列にまとめて保存します。後で見直すことを考えて保存しましょう。

取引先から受領した証ひょうは、取引の種類・取引先別に分け、バインダーに綴じていきます。レシート・領収書はスクラップブックに貼り付けます。その際、取引の内容をメモしておくと、後で見直す際に便利です。領収書がない場合は自分で支払証明書を作成し、日時・取引先・金額・内容を記載し、ほかの領収書と同様に貼り付けていきます。

自社で作成した注文書控や請求書控は、必要に応じて取引先別に分け、取引の古い順に綴じていきます。複写式のものを用いる場合は控えをそのまま残すことによって古い順に記録が整理されます。書き損じた場合でも破ったりせずそのまま保存しましょう。(続く)


藤村典子中小企業診断士

藤村典子(中小企業診断士)
藤村ビジネスコンサルティング 代表
学習塾、会計事務所勤務を経て2004年に独立。中小企業支援ネットワーク強化事業のネットワークアドバイザーとして、中小企業の経営改善、経営革新のサポートを行う。また、企業再生分野においても精力的に活動中。起業支援・創業支援は得意分野の1つであり、女性視点からの解説は分かりやすく好評。

あなたの会社のホームページは、お客さんを連れてきますか?(小菅康浩)

インターネットの普及により、会社を知ってもらうツールとして、ホームページは必要不可欠にな時代になってきました。そこで、ホームページを持っている経営者の方に質問です。「あなたの会社のホームページは、お客さんから問い合わせはありますか?」

現場で支援していてよく聞くお話は

「営業の電話ばかり。」

「10年前は問い合わせあったけど、最近さっぱり。」

「音沙汰なし。飾りですね。」

10年前とは違い、ホームページは星の数ほどあり、存在すら知られない場合もあります。ホームページを会社案内として制作して、満足している方が多いのですが、これも非常にもったいないです。ホームページは作っただけでは、お客さんを連れて来ません。ブログ、ツイッター、フェイスブック・・・いろんなツールがありますが、これらも同様に使うだけで効果があるわけではありません。

では、どうすればよいか?

一番大事なことは、自社のお客さんを知ることです。そして、そのお客さんに、自社の強みを知ってもらうことです。この考え方を根底として土台を作らないと、SEO対策やフェイスブック等のネット集客手法を行なっても空振ります。自社の強みや、自社のお客さんはSWOT分析や事業ドメイン等の経営戦略ツールを用いることで洗い出すことが出来ます。そして、お客さんは、どこにいて、何を知りたくて、どのようにホームページに辿り着くか考えてみてください。

あなたは、お客さんが見えていますか?

お客さんの気持ちを知っていますか?

お客さんのニーズを満たす情報は何ですか?

これから起業するという方なら、今からよく検討してみてください!

ホームページやソーシャルメディアは道具です。道具を追いかける前に、お客さんを追いかけてみてください。そうすることで、様々なインターネットツールを最大限に活用することが出来るようになります。(了)


ITコーディネータ 小菅康浩

小菅康浩(ITコーディネータ)
湘南アイティケア 代表
中小企業や起業家向けにWeb活用支援を行い、神奈川県藤沢市にある慶應藤沢イノベーションビレッジを拠点として、湘南エリアを中心に東京や神奈川で活躍中。また、地域活性化にも力を入れており、農商工連携の取り組みや秦野市地域ブランド事業コーディネータとしてWebマーケティングを活用した地域ブランド戦略を担う。

事業融資と連帯保証人Part2(三浦真弘)

保証の中でも、融資の場面でよく利用されているのが連帯保証です。一般的に、保証人は、債務者が融資を受けた元本のほか、利息や返済が遅れた場合の損害賠償まで負担する義務がありますが、連帯保証人の場合は、債務者と同じような立場でこれらの責任を負うことになります。
例えば、債務者が契約で定められた返済時期までに返済しなかったために連帯保証人が返済の請求を受けた場合、「まずは債務者に連絡してほしい」とか、「債務者は返済できる十分な資金を持っているはずだ」といった理由で、請求を拒むことができません。

このように、連帯保証人は、自分が融資を受けたわけではないものの、非常に重い責任を負うことになります。ですから、ご親戚の方に連帯保証人になっていただく場合には、後日のトラブル防止のためにも、債務者であるご自身と同じような立場になる可能性があるということを、十分理解していただく必要があるものと考えます。
そして、連帯保証人になる場合には、契約の際に契約内容を慎重に確認し、連帯保証人としての責任の範囲などを明らかにするために、契約後は連帯保証契約書のコピーなどを保管しておくとよろしいかと思います。

また、万一、連帯保証人がお亡くなりになられた場合には、連帯保証人として負担する義務(連帯保証人の地位)も相続の対象となりますので注意が必要です。
相続によって相続人に引き継がれる財産には、原則として、現金や預金、不動産などのプラスの財産だけでなく、借金や連帯保証人の地位などのマイナスの財産も含まれることになります。相続人は、連帯保証人の地位を引き継ぐのか、一定期間内に相続放棄をするのかなど、検討する必要がありますので、十分ご注意ください。(了)


司法書士 三浦真弘

三浦真弘(司法書士・行政書士)
三浦真弘司法書士・行政書士事務所 所長
各種登記手続きをはじめ、中小企業の経営法務支援や起業(創業)支援に取り組む。弁護士、公認会計士、税理士などの専門職と共に会社再建に関する手続きにも携わり、北海道、東北、四国など各地に関与先がある。裁判手続きなどの経験もあり、様々な角度から法務面のサポートを行っている。

事業融資と連帯保証人Part1(三浦真弘)

【質問】
金融機関から事業融資を受けようとしたところ、連帯保証人を立てるように言われました。親戚にお願いするつもりですが、連帯保証人になるとどのような責任を取らなければならないのでしょうか。連帯保証人になった場合の注意点などもあれば教えてください。

【回答】
連帯保証人は、融資を受けた方と同じような責任を負うことになります。連帯保証人になる場合には、契約の際に契約内容を慎重に確認し、連帯保証人の責任の範囲などを十分理解していただく必要があるものと考えます。
また、万一、連帯保証人がお亡くなりになられた場合には、注意が必要です。

【解説】
事業を行う際に、金融機関から融資を受けることも多いと思います。創業する時、事業を拡大する時など様々な場面が考えられますし、資金の使い道も運転資金、設備資金など状況によって異なるでしょう。

融資の内容などにもよりますが、事業融資の場合にはまとまった金額を借りることもあり、債権者(貸し手)の金融機関にとって、「万一、返済してもらえなかったら・・・」というリスクがあるのも事実です。そこで、債権者としては、あらかじめ何らかの担保を取っておき、万一、債務者(借り手)が返済できないような場合には、その担保から回収しようと考えるわけです。

担保と聞くと、抵当権や根抵当権などの不動産担保を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、不動産担保も担保の一種で、不動産という「物」の価値に注目しますので、物的担保と言われています。これに対して、債務者以外の「人」の一般財産に注目した、人的担保と言われている担保もあり、この人的担保の代表例が保証(人)です。(続く)


司法書士 三浦真弘

三浦真弘(司法書士・行政書士)
三浦真弘司法書士・行政書士事務所 所長
各種登記手続きをはじめ、中小企業の経営法務支援や起業(創業)支援に取り組む。弁護士、公認会計士、税理士などの専門職と共に会社再建に関する手続きにも携わり、北海道、東北、四国など各地に関与先がある。裁判手続きなどの経験もあり、様々な角度から法務面のサポートを行っている。